どの診療科でも看護師不足が大きな課題となっていますが、どんな人材を求めているのかは、診療科ごとに異なります。
たとえば、心臓血管外科では若手の看護師の求人募集に積極的な傾向があり、年齢制限を設けている求人もしばしば見られるのが実情です。
その理由は、心臓血管外科での仕事は心身ともにハードであり、ある程度のキャリアのある若手の看護師でなければ体調管理が難しいということが挙げられています。
心臓血管外科では、手術の機会が多く、手術をした患者は急変しやすいため、看護師による経過観察が重要になります。
そのため、常に緊張感を要求されますし、人数の少なくなる夜間も気を抜くことができません。
ですから、体力的な衰えが現れ始める熟年層や新人看護師には負担が大きくなってしまうのです。
また、心臓血管外科では看護師のスキルも欠かせない要素になっています。
心臓血管外科では、かなり幅広い看護スキルが求められるため、学習能力が高い若手でないと技術の習得がままならないことがあります。
心電図の読み方やドレーンの管理など、特に術後管理におけるスキルは重要であり、アクシデントを未然に防ぐためには欠かせません。
しかし、人材不足の現場では教育に時間をかける余裕がないため、短期間で心臓血管外科に必要な看護スキルを身につけてもらうためには、若くて学習意欲のある看護師が好まれるのです。
ですから、スキルを磨きたい若手看護師にとって心臓血管外科は狙いめだといえるでしょう。